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「大事なのはギャップです!真田先輩が普段着ない服を着て、山崎くんの心を射抜きましょう!」
「ぎゃ、ぎゃっぷ……射抜く……なるほど……?」
蒼空と約束した日の前日の土曜日。
朝から香菜ちゃんに我が家に来てもらって、デートの準備を手伝ってもらっていた。
「先輩は普段ジーンズが多いんですね」
「うん。私、動きやすいのが好きだから」
「なるほど……じゃあ、明日は絶対スカートですね!」
「えっ、スカートとか制服くらいでしか着ないよ……?」
家にもあんまりなかった気がする……と言うと、香菜ちゃんは安心してください!と、持ってきていた大きなカバンから沢山のスカートを取り出す。
カバン大きいなって思ってたら、服が入ってたのか……。
「先輩は私とほとんど身長は変わらないから、サイズは大丈夫だと思うので遠慮なく着てください!」
「えっ、ほんとにいいの?」
「はい!先輩のためなら何でもしますよ、私」
笑顔でそう言ってくれる香菜ちゃんを見て、改めて後輩に恵まれていることを実感する。
「よし、真田先輩、次は髪型ですよ!いくつか候補を考えてきたので見てほしいんです」
そうして、香菜ちゃんによるデート対策講座は夕方の6時まで白熱した。



