幸せの青い小鳥を助けたら、隣国の王子に番になってくれと求婚されました

 それから、シーラはずっと窓の外を眺めて過ごすようになっていた。相変わらずキリルは執拗に嫌がらせを行なってくるが、シーラはもうそれさえもどうでもいいと思っていた。どうせここからは抜け出せない、キリルから逃げ延びることはできないのだと、半ばあきらめにも似た気持ちになっていたのだ。
 
 ただ、胸の奥底に、可愛いあの青い小鳥がずっといる。いつもの楽しみだった散歩も、歩きながらどこかに青い小鳥がいるのではないかとつい探してしまうようになっていた。

(いるわけがない。たまたま拾ったのが近くだっただけで、見たこともない小鳥だったから、どこか遠い所からきたのかもしれない)

 だったら、もう近くにはいないだろう。無事に元いた場所に帰れたと信じたい。

(どうか、あの子が元居た場所で無事に幸せに生きていますように)

シーラはそっと目を閉じると、フウッと小さく深呼吸して目を開き、屋敷へと帰っていった。

 シーラが屋敷へ戻ると、屋敷の前に見知らぬ馬車がある。どこからどう見ても立派な馬車で、見慣れない紋章が付いていた。

(どうしてこんな所に知らない馬車が?)

 この小さな屋敷へやって来るのは姉のキリルくらいしかいない。それほど、シーラは隔離されて生きていたのだ。シーラが驚きつつ疑問に思いながら玄関の中へ入ると、フルールが慌ててシーラを迎えに来る。

「シシシシシシ、シーラ様!大変です!早く!応接室へ!」
「えっ?えっ?」