「中を読んでもよろしいでしょうか」
「早く読みなさいよ、面白いことが書いてあるから」
キリルは意地の悪そうな顔でシーラを見る。その顔に不安を覚えながらも、シーラは静かに手紙を開いた。そして、内容を読み進めるうちに目を大きく見開いて驚愕する。
そこには、ハルベルトがシーラとの婚約を解消し、キリルと婚約すると書いてあった。
「ハルベルト様から、一度シーラに会いたいとご連絡をいただいたのだけれど、みすぼらしくて貧相なあなたが直接挨拶に行くのは失礼に当たるでしょう?だから、シーラの姉としてお父様と一緒にハルベルト様の元へご挨拶に行ったの。そしたら、ハルベルト様はなぜか私のことを偉く気に入ってしまわれて……シーラに悪いと思って、最初はお断りしたのよ?でも、ハルベルト様が私でなきゃ嫌だ、シーラではダメだとおっしゃって。お父様も、それなら私とハルベルト様が一緒になればいいとおっしゃったの」
にっこりと微笑むその笑顔には一切申し訳ないと言う感情が見られない。むしろ、シーラから奪ってやったという達成感でいっぱいの顔だ。



