幸せの青い小鳥を助けたら、隣国の王子に番になってくれと求婚されました


 シーラが慌てて駆け寄ろうとするが、キリルはクローゼットを開けてしまった。クローゼットの中を見ながら、かけられた服に手を伸ばして品定めをしている。

(まだそこからなら鳥かごは見えないはず……ああ、どうか見つかりませんように!)

 祈る気持ちでシーラは目をギュッとつぶった。

「これと、これ、これも新しそうだわ」

 キリルは服を数着取り出し、近くにあったソファへ投げた。

「こんな綺麗な服、シーラにはもったいないわよ。かわりに私が着てあげる」

 にっこりと微笑んでそう言うと、キリルはシーラの着ている服に目を向けた。

「ああ、それはもう駄目ね、シーラが着てしまっているもの。地味臭さが服に移ってる」

 そう言って部屋を見渡し、キリルは机まで歩くと鋏を手にした。そして、シーラの目の前にやって来ると、シーラの服に鋏を入れた。ジャキジャキと無造作に鋏で切り刻んでいく。

「な、何をするんですか!」
「シーラの分際でこんな綺麗な服着てるのが悪いのよ?だからシーラに似合うようにボロボロにしてあげてるんじゃない、感謝しなさいな」
「や、やめて……」

 嬉しそうに笑みを浮かべながらキリルは容赦なくシーラの服へ鋏を入れていく。ようやく終わったころには、シーラの服はボロボロで見るも無惨な姿になっていた。