(馬車が来たってことは……まさかお姉さま!?大変、この子が見つかったらきっとこの子を奪って売りに出してしまうわ)
シーラは慌てて小鳥を鳥かごにしまおうとした。だが、小鳥はシーラの側を離れたがらない。
「お願い、鳥かごの中に入って。お姉さまに見つかったら、あなた大変なことになってしまう!お願いよ!」
必死なシーラをジッと見つめて、小鳥は何かを察したのかすぐに鳥かごに入った。シーラは鳥かごの扉を閉めて、部屋をきょろきょろと見渡す。そして、クローゼットを開けると、奥の見えない位置に鳥かごを置いた。
「こんな暗いところにごめんなさい。でも、お姉さまに見つからないためなの。お姉さまが帰ったら、すぐに出してあげる。だから、絶対に鳴いたりしないでね」
そう言って、シーラは後ろ髪をひかれる思いでクローゼットの扉を閉めた。閉める瞬間、小さくピピッと鳴き声がして、シーラはクローゼットの扉の前で目をギュッと瞑る。
「シーラ!シーラ!」
キリルの声が聞こえてくる。ハッとしてシーラは目を開けると、すぐに部屋から出て声のする方へ走り出した。
「は、はいっ!お姉さま!」
シーラが応接室に到着すると、キリルは腕を組んで機嫌悪そうにシーラを睨んだ。



