幸せの青い小鳥を助けたら、隣国の王子に番になってくれと求婚されました

「相変わらず汚くて小さな屋敷ね。こんな所でよく生きていられること」

 真っ赤な髪の毛を片手で払いながら汚らわしいと言わんばかりの顔で言う義姉を見て、伯爵令嬢のシーラはビクッと肩を小さく震わせた。

 シーラ・ランドベル、十八歳。金色の髪の毛にローズピンクの瞳、可愛らしい顔立ちと小柄で華奢な体つきをしており、ついこの間成人したばかりだ。そのシーラへ冷ややかな視線を向けているのは、シーラの義理の姉、キリルだ。シーラとは対照的に美しい顔立ちをしており、令息たちからの人気も高い。

 二人の父親は、キリルがまだキリルの母親のお腹にいるころ、出張先で出会ったシーラの母親に手を出し、一年後にシーラを身ごもらせた。第二夫人ということでシーラの母親はランドベル家に招かれたが、シーラを出産してすぐに病死してしまう。
 残されたシーラはランドベル家で育てられたが、母を失ったシーラは父親に愛されることはなく、キリルの母親にもキリルにも疎まれ、虐げられて生きてきた。

「既婚者の子どもを産むような、下品な女から生まれたあなたのような娘となんか一緒に住みたくないから、特別この別荘に住まわせてあげたの。本来なら屋根裏部屋でもいいくらいなのよ。でも、同じ屋根の下にいること自体許せないんだもの。ここにいられることを幸せだと思いなさいな」

 キリルは胸の前で腕を組んで、冷ややかな瞳をシーラに向ける。