美空が目を覚まさなくなって早3週間が過ぎようとしていた。美空の眠るベッドの横の棚には僕とお揃いとネックレス、美空が撮った星の写真、美空が産まれた時の夕焼けの写真…美空がここに来るまでの時間が写真となって置かれていた、
その場所にネックレス…早く目を開けてくれ、君が隣に居ない世界は生きづらい。
「今日も来ていたのか…いつもありがとう。だがこうして毎日来られると正直、私もどうしたらいいか分からないもんで…美空も困るだろう」
「あ、美空のお父さん…どうして美空が困るんですか?」
「…君にこうして毎日来られると早く目を覚まさないと、って自分を責めるだろう、表に出さないだけで裏では抱え込むような子なんだよ」
「…そう、ですか、でも迷惑だったなら目を開けた時にちゃんと謝ります。僕がここにいないと、美空どこか行きそうで…手を離したくありません。僕は美空が大好きです」…
困ったように眉を下げて笑う美空のお父さんはどこかの美空と同じ顔をしていてやっぱ親子なんだと思ったと同時に、僕は心の内を美空のお父さんに話してしまった。
…でももう隠せなかった、自分でも気づかなかった、美空に対する気持ちが強くなるのを。それに一生懸命気づかないフリをしていた…。
「そ、れ、ほんと、う…?」
か弱い声が聞こえて美空の方を見ると美空が少し目を開けていた。
「み、美空…!」
「美空…目を開けてくれたのか…っあぁ…神様…っ」
急いでナースコールを押し状況を伝えると担当の看護師さんが来て様子を見るがまだ回復していないため絶対安静だと言われた、細い腕に何本もの点滴を打つ、
「わた…っしも、ソラがす、き」
途切れる声で、拙く、優しくそういう美空に何度安心したか。
「…それってどっちのソラ?」
「ば、か…私の、今隣にいる、そらだよ」
途切れても拙くても優しく僕のことが好きだと言ってくれる美空の首に優しくネックレスをつけた。
「どうやら、私は邪魔者みたいなようだね、美空がせっかく目を覚ましたというのに、美空私はまた明日来るよ…」
ガラガラ…美空のお父さんを追い出すみたいな形になってちょっと申し訳ないなって思いながらも美空に問いかける。
「このネックレス、僕とお揃いなんだ。美空いつも星が好きって言ってたから星と月のネックレスで、僕が月…気に入ってくれた?」
「うん、とても綺麗…ありがとう」
ありがとう、と可愛く優しく微笑む、僕はそんな美空に優しく触れるようなキスを落とした、もうどうにもならないくらい美空が大好きだ…優しく触れるようなキスをした後美空を見ると顔を真っ赤にしていた。ー星も、美空も居るこの世界はとても綺麗でとても、輝かしく思えた…僕は美空とこれからも一生を生きるだろう、そう思っていた。
ーー朝、鳥の鳴く声で起きて机の上にあるネックレスに目をやると日光でシルバー色のネックレスはキラキラと輝いていた。
目を瞑りたくなるような眩しさで、目を瞑りたくなるように幸せだった。僕はベッドから起き上がらないで、太陽を見ていると携帯に着信が入る、のそのそとベッドから降り電話に出る。
「はい、もしもし…」
「もしもし…!今美空の病院から電話があって…!」
ガチャン_
スマホを落として耳を塞ぐほどとても衝撃だった、だって昨日あんなに元気で…急いで病院に行かないと…!急いで服に着替え走って病院へ向かう。
ーーー静かな院内、どこからか薬品の匂いがする、どこかの病室で誰かの泣き声がする…そんなのは気にしないで一直線へと美空の居る病室へ行く、入口には看護師さんと美空のお父さんが話していた。聞いてみると
「今日が恐らく…」
「そんな、嘘だろう…美空、美空…っ!!!」
看護師さんと話をしていた美空のお父さんが一瞬にして泣き崩れ僕もそれを見て涙を流す…落ち着いた頃に美空の病室へ入るとこの間よりも痛々しく痩せていて点滴も繋がれ酸素マスクも付けていた。愛おしい人がどうしてこんな目に合わないといけないのだろうか?彼女は純粋に人を愛して、星を愛して、ただ…生きていただけなのにどうして彼女がこんな目に合わないといけないのだろうか…?
できることなら代わってやりたい、助けてあげたい…僕にはどうしようもできないで居る。悔しさのあまりネックレスをぎゅっと力強く握る…美空の横に座り声かけるも応答がない、いつもみたいに星が好きって、星が見たいって、言ってよ…僕を安心させてよ…美空を見て泣く僕を泣きたいのはこっちもだ、と背中をさする美空のお父さん、辛いのは…美空と、お父さんだ…僕が泣いていい場所じゃ、ない…っ
「美空…どうして病気にかかってしまったんだよ…?なぁ、お父さんの問いに答えてくれ…っ」
美空の居る病室には点滴が落ちる水滴の音とほのかに香る薬品の匂い、そして2人の泣き声が響いていた__
夜も付きっきりで美空の隣にいて、僕がまた…君が好きなものはなんだ、と聞くと美空はゆっくりと急に目を開けこう言う…
『 私が好きなのはね…ソラだよ_ 』
__そう、言葉を遺し美空は空に行ってしまった。彼女は自分が好きだと言っていた空になってしまった…
「美空。、まだ行かないでくれ…っ」
「美空…っ美空…、!」
美空の心臓が止まる音がする_看護師達が一生懸命頑張ってくれていても二度と吹き返すことは無かった。…こうして僕の最愛の人、美空は空になってしまった。美空が最後に残した ソラが好き はどっちのソラ…?もう確認する術も無くなってしまった。
ーーー美空は人に愛されてると思った、美空のお葬式にはそれだけ沢山の人がいた…皆黒い服に包まれ涙を流す…美空のお父さんも、僕も、堤も、皆…みんな、美空が好きだった_お葬式が終わり皆美空との思い出話に花を咲かせていると美空のお父さんから手紙を貰った、
「これは…美空が書いたモノだ…時間がある時に読むといい。」
そう言い残し自分の元いた場所へと戻る。美空が僕に手紙を…?嘘だと思った、これは美空のお父さんが僕に元気づけるために嘘をついたんだ…。
無事にお葬式が終わり美空へ別れを告げる_また、会おう。僕の最愛の人__おぼつかない足取りで家へ帰り階段をのぼり自分の部屋へと向かう。手紙を開けると、嘘でも、夢でも何でもなかった_僕の大好きな美空の字が書いてあった…
『 想空へ
想空は今きっと泣いてるよね、ごめんね泣かせちゃって。私先生から、自分が今どれだけ危ないかを伝えられたの、私自分が思ってるよりも酷い状況で無理は許されなかったの。
自分が自分の事を1番わかってる、私は空になる日が近い、空にならなくても私が生きた記念って事でこの手紙は残しておいてね。でも、想空が持っててどうしても辛いんだったら一緒に火葬してね、想空の気持ちには気づいてたんだ…想空はきっと私のことが好きだって。
自惚れんなって思うかもだけどそれだけ想空は分かりやすかった。だから私の方から告白って考えてたんだけどどんな言葉でどこの場所で、って考えてる時に病気になっちゃって…ごめんね、私上手く伝えられなくて…もし死んじゃうんだったら…ちゃんと伝えたいから最後の言葉よく聞いててね。
…いつだっけ?私が急に呼び出しても来てくれるし、呼び出した時も寒いからってブランケットを貸してくれてたし、そういう想空の何気ない優しさが好き、でも私たちは結ばれない、結ばれられない…ごめんね、私は先に空になります、待ってるからゆっくり空に来てね…最後に君のこと、想空のこと愛してました。 美空 』
手紙を読み終わる頃には美空がせっかく書いてくれた手紙は僕の涙でぐちゃぐちゃだった、まさか両思いだったなんて…もっと早く気持ちを伝えておけばよかったと、不安がらないでもっと早くネックレスを渡して伝えておけばよかったと、何度も泣いて何度も後悔した。…
「返事が遅くなったが…僕も好きだ、美空…っ」
まだ星が出ていない夜に…美空に届くように…僕は想いを伝える。僕はこれから色んな人に出会い色んな恋愛を知るだろう…でも僕は美空が好きだ、星が好きな君を僕は月で愛す。外に出て、夜中呼び出されたあの公園に行く。
もう美空はこの世界には居ないのにここに来たら美空に会えるんじゃないかってそう思ってしまう自分がいた…ベンチに座り、上を見上げる、隣にも何処にも美空は居ない、美空は…あの月より、星より…はるか彼方へ行ってしまった…美空、君が好きな星は今も見れてる?僕は美空が居なくて死にたいぐらい寂しいよ、僕も今すぐそっちに行きたい…けどそんなすぐに行ったら美空に怒られそうだな…美空の事を思い出すと心が軽くなりふっと笑う。…僕は美空を愛している_
その場所にネックレス…早く目を開けてくれ、君が隣に居ない世界は生きづらい。
「今日も来ていたのか…いつもありがとう。だがこうして毎日来られると正直、私もどうしたらいいか分からないもんで…美空も困るだろう」
「あ、美空のお父さん…どうして美空が困るんですか?」
「…君にこうして毎日来られると早く目を覚まさないと、って自分を責めるだろう、表に出さないだけで裏では抱え込むような子なんだよ」
「…そう、ですか、でも迷惑だったなら目を開けた時にちゃんと謝ります。僕がここにいないと、美空どこか行きそうで…手を離したくありません。僕は美空が大好きです」…
困ったように眉を下げて笑う美空のお父さんはどこかの美空と同じ顔をしていてやっぱ親子なんだと思ったと同時に、僕は心の内を美空のお父さんに話してしまった。
…でももう隠せなかった、自分でも気づかなかった、美空に対する気持ちが強くなるのを。それに一生懸命気づかないフリをしていた…。
「そ、れ、ほんと、う…?」
か弱い声が聞こえて美空の方を見ると美空が少し目を開けていた。
「み、美空…!」
「美空…目を開けてくれたのか…っあぁ…神様…っ」
急いでナースコールを押し状況を伝えると担当の看護師さんが来て様子を見るがまだ回復していないため絶対安静だと言われた、細い腕に何本もの点滴を打つ、
「わた…っしも、ソラがす、き」
途切れる声で、拙く、優しくそういう美空に何度安心したか。
「…それってどっちのソラ?」
「ば、か…私の、今隣にいる、そらだよ」
途切れても拙くても優しく僕のことが好きだと言ってくれる美空の首に優しくネックレスをつけた。
「どうやら、私は邪魔者みたいなようだね、美空がせっかく目を覚ましたというのに、美空私はまた明日来るよ…」
ガラガラ…美空のお父さんを追い出すみたいな形になってちょっと申し訳ないなって思いながらも美空に問いかける。
「このネックレス、僕とお揃いなんだ。美空いつも星が好きって言ってたから星と月のネックレスで、僕が月…気に入ってくれた?」
「うん、とても綺麗…ありがとう」
ありがとう、と可愛く優しく微笑む、僕はそんな美空に優しく触れるようなキスを落とした、もうどうにもならないくらい美空が大好きだ…優しく触れるようなキスをした後美空を見ると顔を真っ赤にしていた。ー星も、美空も居るこの世界はとても綺麗でとても、輝かしく思えた…僕は美空とこれからも一生を生きるだろう、そう思っていた。
ーー朝、鳥の鳴く声で起きて机の上にあるネックレスに目をやると日光でシルバー色のネックレスはキラキラと輝いていた。
目を瞑りたくなるような眩しさで、目を瞑りたくなるように幸せだった。僕はベッドから起き上がらないで、太陽を見ていると携帯に着信が入る、のそのそとベッドから降り電話に出る。
「はい、もしもし…」
「もしもし…!今美空の病院から電話があって…!」
ガチャン_
スマホを落として耳を塞ぐほどとても衝撃だった、だって昨日あんなに元気で…急いで病院に行かないと…!急いで服に着替え走って病院へ向かう。
ーーー静かな院内、どこからか薬品の匂いがする、どこかの病室で誰かの泣き声がする…そんなのは気にしないで一直線へと美空の居る病室へ行く、入口には看護師さんと美空のお父さんが話していた。聞いてみると
「今日が恐らく…」
「そんな、嘘だろう…美空、美空…っ!!!」
看護師さんと話をしていた美空のお父さんが一瞬にして泣き崩れ僕もそれを見て涙を流す…落ち着いた頃に美空の病室へ入るとこの間よりも痛々しく痩せていて点滴も繋がれ酸素マスクも付けていた。愛おしい人がどうしてこんな目に合わないといけないのだろうか?彼女は純粋に人を愛して、星を愛して、ただ…生きていただけなのにどうして彼女がこんな目に合わないといけないのだろうか…?
できることなら代わってやりたい、助けてあげたい…僕にはどうしようもできないで居る。悔しさのあまりネックレスをぎゅっと力強く握る…美空の横に座り声かけるも応答がない、いつもみたいに星が好きって、星が見たいって、言ってよ…僕を安心させてよ…美空を見て泣く僕を泣きたいのはこっちもだ、と背中をさする美空のお父さん、辛いのは…美空と、お父さんだ…僕が泣いていい場所じゃ、ない…っ
「美空…どうして病気にかかってしまったんだよ…?なぁ、お父さんの問いに答えてくれ…っ」
美空の居る病室には点滴が落ちる水滴の音とほのかに香る薬品の匂い、そして2人の泣き声が響いていた__
夜も付きっきりで美空の隣にいて、僕がまた…君が好きなものはなんだ、と聞くと美空はゆっくりと急に目を開けこう言う…
『 私が好きなのはね…ソラだよ_ 』
__そう、言葉を遺し美空は空に行ってしまった。彼女は自分が好きだと言っていた空になってしまった…
「美空。、まだ行かないでくれ…っ」
「美空…っ美空…、!」
美空の心臓が止まる音がする_看護師達が一生懸命頑張ってくれていても二度と吹き返すことは無かった。…こうして僕の最愛の人、美空は空になってしまった。美空が最後に残した ソラが好き はどっちのソラ…?もう確認する術も無くなってしまった。
ーーー美空は人に愛されてると思った、美空のお葬式にはそれだけ沢山の人がいた…皆黒い服に包まれ涙を流す…美空のお父さんも、僕も、堤も、皆…みんな、美空が好きだった_お葬式が終わり皆美空との思い出話に花を咲かせていると美空のお父さんから手紙を貰った、
「これは…美空が書いたモノだ…時間がある時に読むといい。」
そう言い残し自分の元いた場所へと戻る。美空が僕に手紙を…?嘘だと思った、これは美空のお父さんが僕に元気づけるために嘘をついたんだ…。
無事にお葬式が終わり美空へ別れを告げる_また、会おう。僕の最愛の人__おぼつかない足取りで家へ帰り階段をのぼり自分の部屋へと向かう。手紙を開けると、嘘でも、夢でも何でもなかった_僕の大好きな美空の字が書いてあった…
『 想空へ
想空は今きっと泣いてるよね、ごめんね泣かせちゃって。私先生から、自分が今どれだけ危ないかを伝えられたの、私自分が思ってるよりも酷い状況で無理は許されなかったの。
自分が自分の事を1番わかってる、私は空になる日が近い、空にならなくても私が生きた記念って事でこの手紙は残しておいてね。でも、想空が持っててどうしても辛いんだったら一緒に火葬してね、想空の気持ちには気づいてたんだ…想空はきっと私のことが好きだって。
自惚れんなって思うかもだけどそれだけ想空は分かりやすかった。だから私の方から告白って考えてたんだけどどんな言葉でどこの場所で、って考えてる時に病気になっちゃって…ごめんね、私上手く伝えられなくて…もし死んじゃうんだったら…ちゃんと伝えたいから最後の言葉よく聞いててね。
…いつだっけ?私が急に呼び出しても来てくれるし、呼び出した時も寒いからってブランケットを貸してくれてたし、そういう想空の何気ない優しさが好き、でも私たちは結ばれない、結ばれられない…ごめんね、私は先に空になります、待ってるからゆっくり空に来てね…最後に君のこと、想空のこと愛してました。 美空 』
手紙を読み終わる頃には美空がせっかく書いてくれた手紙は僕の涙でぐちゃぐちゃだった、まさか両思いだったなんて…もっと早く気持ちを伝えておけばよかったと、不安がらないでもっと早くネックレスを渡して伝えておけばよかったと、何度も泣いて何度も後悔した。…
「返事が遅くなったが…僕も好きだ、美空…っ」
まだ星が出ていない夜に…美空に届くように…僕は想いを伝える。僕はこれから色んな人に出会い色んな恋愛を知るだろう…でも僕は美空が好きだ、星が好きな君を僕は月で愛す。外に出て、夜中呼び出されたあの公園に行く。
もう美空はこの世界には居ないのにここに来たら美空に会えるんじゃないかってそう思ってしまう自分がいた…ベンチに座り、上を見上げる、隣にも何処にも美空は居ない、美空は…あの月より、星より…はるか彼方へ行ってしまった…美空、君が好きな星は今も見れてる?僕は美空が居なくて死にたいぐらい寂しいよ、僕も今すぐそっちに行きたい…けどそんなすぐに行ったら美空に怒られそうだな…美空の事を思い出すと心が軽くなりふっと笑う。…僕は美空を愛している_

