星降る夜に、願い込めて ー 想空side
あれから何時間経っても美空は起きなかった、美空のお父さんは病室に残り僕は帰されて今自分の部屋で美空と星を思いながらぼーっとしている。
美空とまたあの場所で星が見れますように、と星降る夜に何度も願う、美空が目覚めたら真っ先に、好きだと、守らせてくれ、と言いたい、今の僕は隣に美空が居なくてとても不安だし消えたいと思う、けどまだ遠い隣に美空は居る、未来の僕は美空を守っているだろうか?守れない環境にあっていたとしても僕は君にまた恋をしたい__
誰にも心の内は明けていないのに美空のことを想うだけでこんなに暖かい想いになる…人を好きになるってこんな気持ちになるんだ…その時僕の手の中にあったのはシルバー色の星のネックレス。僕とお揃いで、僕が月の形、これを美空にあげて思いを伝えられたらな…空に浮かぶ月の光でキラキラと輝くシルバー色のネックレスを握って、もう一度星降る夜に願う…キミが目を開けますようにと。
真っ白な世界に、キミがいた ー美空side
5分、10分、15分…1時間、2時間と時間が流れても私は1人真っ白な世界に居た、どれだけ動いても、声を出しても誰も何も居ない、私の影さえも無かった、いつになったらこの世界から抜け出せるんだろう、ここから出たい、その目的を持ってただひたすら歩いていると遠くに誰かの影があった、走って、近づくと、私の_求めていた人がいた、私は声を出す、やっと声に出して貴方の名前を呼べる…ずっと呼びたかった好きな人の名前、愛おしかった_
『_想空…!』
喉に何かが詰まったようなモノを無視して声を出しても想空は返事をするどころか振り返ってくれなかった…私の声、聞こえないの?…聞こえてないとしたら、なんで…視界がグラリと揺れたかと思えば次の瞬間上からベッドに横たわって寝ている私の姿が自分の目に写った_
なんなの、これ…どうして私ここに?…なんで私寝ているの?起きて想空の隣に行ってよ、真っ白な世界に想空が居たのに、想空の後ろに居たのに、今は…何処にもいなかった。

