蝶々結び【完結】



しばらくしてナースステーションに戻ると、
 柚希が腕を組んで待っていた。



「結衣~、どこ行ってたの?全然戻ってこないから心配したんだけど!」



「あっ、ご、ごめん。ちょっと先生に呼ばれて……。」



「先生?……って、陽向先生?」



 柚希の目が鋭く光る。
 結衣は慌てて目を逸らした。



「えっ……ちょっと、まさか!」


「ち、違うよ?」


「顔、真っ赤じゃん!? もしかして……付き合ったの?」



「なっ、な、なに言ってんの柚希!」



 結衣は顔を覆って、思わず背を向けた。



「やっぱり~!当たりだ!」



 柚希は嬉しそうに笑って、結衣の背中を軽く叩いた。



「結衣、よかったね。やっと、素直になれたじゃん。てか、早く報告しなさいよね!」



 その言葉に、結衣は少しだけ恥ずかしそうに微笑んだ。



「……うん。ごめん、そのうちきちんと報告するつもりだったんだけど…。」



「なーんだ~そっかそっか!結衣、本当におめでとう!!」



「うん。ありがとう、柚希!」



二人は笑いあった。




 ナースステーションの窓の外には、夜明け前の淡い光が差し始めていた。

 夜の静寂をやぶるように、二人の新しい朝が始まっていた。