あの日の告白から、一週間が経った。



 季節は少しずつ冬に近づき、朝の空気がひんやりと頬に触れる。



 結衣は、いつものように出勤の準備をしていた。

 鏡の前で少し延びた髪をバレッタでまとめながら、頬に浮かぶ笑みを自分でも隠せずにいた。



(まだ信じられない……。私、本当に陽向先生と付き合ってるんだ……)



 携帯の画面が光る。



 「おはよう。今日の朝ごはん、ちゃんと食べた?」

 陽向先生からのメッセージだった。





 結衣は思わず笑みをこぼしながら、返信を打つ。




 「もちろんです。陽向先生こそ、朝ごはん抜きじゃないですよね?」




 すぐに既読がつく。




 「あ。……バレたか。じゃあ橘さんに怒られそうだから、今から食べます。」




 その軽い冗談に、結衣の胸の奥がふわりと温かくなる。