「つかれたー…」

電車を降り、駅の近くのコンビニで今日のご飯と明日のパンをオレンジ色のかごに入れる。

レジコーナーに向かう途中、スイーツコーナーで足が止まった。ショーケースで人間に手に取られるのを待っているスイーツたちの中から、私は100円のクリーム入りコーヒーゼリーを選んだ。

レジに並ぶと、前の人が宅急便の手続きで手間取っていた。私はその間に、レディーボーデンのクッキーアンドクリームのカップアイスを手に取った。

「まあ、たまにはいいか」

誰に言うでもなくそうつぶやいて、かごにそっとアイスを入れる。

レジの順番が来たので、カウンターにかごを置いてPayPayを立ち上げる。

「1027円です」

会計を終えて外に出ると、夜の空気がまた一段冷たくなっていた。

上着の襟の部分をぎゅっと合わせても、冷気はいろんなところから入ってくる。

信号待ちで、思わずため息がこぼれる。

白く染まった息は、真っ黒な冬の夜空にとけるようにしていなくなってしまった。