Last Christmas

この日、アドレス帳には新たな友達が3人追加となり、何かと受け身の私としては、ありがたかった。

そして、お開きになると、私はさっきの男の子⋯⋯大和と家路を辿った。

「最寄駅が同じなら、何度かすれ違ったりしたこともあるかもね」

私がそう言うと、

「それは、一度もないな。絶対」

あまりにもキッパリ言うので、

「どうしてそこまで断言出来るの?」

苦笑いで聞いてしまった。

「もし、一度でもすれ違ってたら、忘れるわけがないから⋯⋯」

デクレッシェンドのように、彼の声は段々小さくなる。

「そっかぁ。記憶力よくて羨ましい」

「そういう意味じゃないけど⋯⋯」

「違うの?」

「いや、なんでもない」

ゆっくりと歩いていたのだが、私のマンションは駅から割と近い。

「私、ここなの。大和は?」

「俺は、もう少し先。立派なマンションだなぁ」

「親が心配してくれて。じゃあ⋯⋯おやすみ」