Last Christmas

ブザーを鳴らしても反応がないので、そっとドアを開けてみた。

すると、すぐ目の前のキッチンで、彼と知らない女が、抱き合って激しくキスしていた。

冷たくされても、まだ彼を信じていた私は、正直、目の前で起きている現実を、なかなか理解できずに居た。

二人とも、私が来たことにギョッとした顔がなんだか滑稽だった。

私は私で、言葉もなく、ただポカンとしていただけ。

このとき、彼の第一声は、

「なんでいきなり来るんだよ!」

だった。

「サプライズのつもりで⋯⋯。それに、クリスマスの件はどうなったのか、その話もしたかったから」

私がそう言うと、女は、

「ちょっと!どういうこと!?ただお堅いだけの箱入り娘とは、未だに切れてなかったわけ!?」

そう言って彼を問い詰めたが、彼は、

「切れてるよ!とっくに!」

吐き捨てるように言う。

「え?私たち、別れ話してないのに?」