Last Christmas

約束通り、大和は私を地元に連れて行ってくれた。

小さい頃に、ここでこんなことがあって⋯⋯などと、色々なエピソードを聞かせてくれて、そのあとで、近くの水族館にも行った。

周りを見ると、やはりカップルが多い。

カップル⋯⋯?

これまで聞いたことがなかったが、大和は過去にどんな恋をしてきたのだろう?

「ねぇ、この水族館でデートしたことあるの?」

毎度、本当に考えなしに口が動いて嫌になる⋯⋯。

彼女でもないのに、これではまるで嫉妬深い彼女の発言みたいで本当に恥ずかしい。

「ごめんね!突っ込んだこと聞いちゃって。だから、答えなくても⋯⋯」

「ないよ」

アッサリと答えられた。

「あ、違った。あるよ」

その答えに、少し凹んでいたら、

「だって⋯⋯今がまさにそうじゃん?」

そう言われ、もう、すっかり見慣れた端正な横顔を見ると、また耳が真っ赤になっている。