Last Christmas

最初の頃は、交互に行ったり来たりしていたが、彼のほうがあまり来なくなってしまったら、私のほうが連続で会いに行った。

友達からの合コンの誘いなども、彼が居るからと断ってばかり。

何しろ、初めての彼氏て、初恋の相手だ。

故に、思い入れも強く、大切にしたかった。

これは一時的な倦怠期で、いつかきっと、また元の二人に戻れるはず⋯⋯。

ただ、そう信じることしか出来なかった。

高校時代は親がうるさくて、クリスマスも何もあったものではなかったが、

「今年のクリスマスは、都心でお洒落に過ごそうか」

彼がそう言ってくれたので、その約束を心の底から信じていた。

たとえ、もう全く会いに来てくれることもなく、連絡も殆どなくなっていても。





ある小春日和の午後、サプライズのつもりで、群馬にある彼の部屋を訪ねた。

彼が住んでいるのは、安アパートなのでインターホンもない。