「私⋯⋯もう既に散々、大和に甘えてるけど⋯⋯本当は、もっとちゃんとしたいの。だから、せめて自分の荷物は自分で持つよ」
すると、大和は微笑んで、
「じゃあ、半分持って?」
そう言われたので、私たちは、一つのボストンを二人で持って歩いた。
何だか、青森に着いた朝とは正反対だ。
思いがけない人とホームで会ったことで、寝ぼけ頭が覚醒したのは同じでも、青森で元彼と鉢合わせたときにはあれほど哀しく、上野で大和に会えたことは、こんなにも幸せだなんて。
まだ、知り合ってから、11日目にしかならないのに。
しかも、実際に顔を合わせたのは、たったの3回目。
今の気持ちは、初めて恋を知った時とはまた違う。
大和は、元彼のように裏切る人にはとても見えない。
だからこそ、失恋の痛手を別の恋で埋めるような真似を、大和のような優しい人とは、絶対に、絶対に、したくないと思う。
すると、大和は微笑んで、
「じゃあ、半分持って?」
そう言われたので、私たちは、一つのボストンを二人で持って歩いた。
何だか、青森に着いた朝とは正反対だ。
思いがけない人とホームで会ったことで、寝ぼけ頭が覚醒したのは同じでも、青森で元彼と鉢合わせたときにはあれほど哀しく、上野で大和に会えたことは、こんなにも幸せだなんて。
まだ、知り合ってから、11日目にしかならないのに。
しかも、実際に顔を合わせたのは、たったの3回目。
今の気持ちは、初めて恋を知った時とはまた違う。
大和は、元彼のように裏切る人にはとても見えない。
だからこそ、失恋の痛手を別の恋で埋めるような真似を、大和のような優しい人とは、絶対に、絶対に、したくないと思う。



