Last Christmas

そうか、これからは東京が私の帰る場所になるのだ。

「ただいま!」

髪が乱れていて、少し恥ずかしい気持ちもあるが、自然と笑顔になる。

「そうそう。飛鳥に会ったら、これを渡そうと思って」

何かと思ったら、何通もの手紙の束だった。

私は、決して返信が欲しくて書いた訳ではないのに、律儀だ⋯⋯。

実家にて、大和からの年賀状ならば受け取っている。

もし、私の書いた手紙への返信を送ってくれても、どうしてもタイムラグができてしまい、届く頃にはもう私は実家には居ないだろう。

「投函しようか迷ったけど、すれ違いになったら意味がないから、書きためておいたんだ」

「嬉しい⋯⋯ありがとう」

不思議なほど、大和の前では素直な気持ちが溢れる。

手紙の束を大事にボストンにしまう。

「ボストン、重いだろ?」

そう言われて、さっとボストンを持たれたのだが、

「ねえ、大和」

「ん?」