Last Christmas

それに、いくら大和が優しくても、それはあくまで優しさにすぎない。

たった一人の大切な存在に向ける愛情と、優しさとは違う。

大和の優しさに甘え、嘆くだけ嘆いて、あっさりと、今度はあなたを好きになってしまいました⋯⋯なんて軽薄なこと、いくら何でも出来るはずがない。

なので、恋心を匂わせるような言動は慎まなければ。

それでも⋯⋯手紙には書かなかったものの、今すぐにでも逢いたいという気持ちに嘘はないのも事実。


毎日、大和への手紙を長々と書いていたら、意外と早く、1月2日の夜はやってきた。

寝台列車で眠ることにも少し慣れ、翌朝、まだ少しぼんやりした頭のまま、上野のホームを歩いていたら、またしても、一瞬にして覚醒することが起こった。

「飛鳥、おかえり!」

手紙に、昨夜の夜行で戻ることを書いたせいだろうか?

なんと、大和が上野まで迎えに来てくれていた。

おかえり⋯⋯?