Last Christmas

少し寝ぼけた状態でホームを歩いていたが、ある人の姿を見て、一瞬で覚醒した。

昨夜は全く気付かなかったが⋯⋯元彼も、恐らく高崎から、同じ夜行列車に乗っていたのか、ホームで鉢合わせてしまったのだ。

元彼は、氷のような目で私を一瞥すると、何も言わずに足早に去っていった。

昨夜は、大和のお陰で心が温まったのに、元彼と、こんな再会をしたことで、再びこの胸の内側は荒涼に戻ってしまう⋯⋯。

先日感じた、都会の孤独とは比にならないほど、この町は私には冷たすぎる。





8歳から10年暮らした町で、実家もここにあるが、転校生だった私は、ずっと余所者扱いされ続け、結局は高校卒業まで馴染むことができなかった。

博多で生まれ、名古屋での暮らしを経て、青森に引っ越してきたのだが、結局は自分にとって故郷というものはない。