Last Christmas

受話器の向こうから、生活音が聞こえてくるので、

「ねぇ⋯⋯大和、もう起きてるの？」

そっと尋ねてみた。

「あ、おはよう。飛鳥の寝息が聞こえてきたあと、俺もすぐに寝ちゃったから、もう起きてるよ」

「そうなんだ。なんか⋯⋯本当にありがとね」

心から感謝してそう言うと、

「いいんだよ。これも何かの縁だろうし、俺には何でも話してくれて構わないから」

「ねぇ、大和」

「ん？」

「大和は⋯⋯初対面の私に、どうしてそんなに優しくしてくれるの？３年付き合った相手でさえ、最後は、かつて好きでいてくれたことが嘘のような別れかたをしたというのに」

「何年の付き合いとか、初対面とか、俺は関係ないと思ってるから」

「そっか。私は、こだわっちゃうのかなぁ？初恋の人だったのに、とか、３年も付き合ったのに⋯⋯って。あの最悪な場面を目の当たりにしたあと、もう二度と恋はしないって決心したの」