Last Christmas

「え?」

「こんなこと言うのも不謹慎だけど⋯⋯飛鳥がもし、独りで思い詰めてて、そのまま死んじゃったりなんかしたら⋯⋯俺、たとえ初対面でも、耐えられないから」

流石に、死ぬ気まではなかったが、電話の向こうの大和の声は、真剣そのものだ。

「大和にとっては、きっと凄くつまらない話だけど、それでもいいの?」

「飛鳥にとって本気でつらいことなら、それはつまらない話じゃないよ」

人に話すと、余計につらくなる気もしたが、私は、どういう経緯で情けない失恋をしたかということを、淡々と告げた。

「それは、本当につらかったな⋯⋯」

優しい声でそう言われたとき、初めて涙が溢れた。

「あれ⋯⋯?ずっと、泣きたくても泣けなかったのに⋯⋯ごめんなさい、涙が止まらなくなった⋯⋯」

「いいんだよ。泣きたいだけ泣けばいい」

「ホントはね⋯⋯今夜、独りきりになること、た、耐えられなかったの⋯⋯」