「ちょっと、チロ?」 「千尋っ!」 さーちゃんの声と雄大の声が聞こえたけれど、私は人の波に逆らって走り続ける。 けれど、この人の多さに思うようにはなかなか前に進めず私の腕を誰かがギュッと掴んだ。 振り返るとそこには雄大の姿。 「放してよ!」 「千尋!誤解だよ。」 「何が誤解なの? 彼女とは行かないって言ってたじゃん。嘘つき!」 そう言った途端涙が流れて人目もはばからず私は泣いてしまった。 周りの視線を感じていたけれど、もう止める事は出来なかった。 「千尋…。 ちょっと場所移そう?」