ー 樹 side ー
ーーキミと僕の出会いはあの日だった。偶然に手が重なりそこから同じ好みだと発覚し僕が先に千歳を好きになった。千歳と出会ってからの時間はなんだか短く感じた、このまま千歳と一緒にいればあっという間に自分がおじいちゃんになっているんじゃないか、そんな事を常に考えていた
千歳と出会ったあの日、僕はここの医者をやっているお父さんに会いに行って、お母さんはお父さんの忘れ物を届けるためでひとり留守番は世間の目がとしつこいくらい気にするから仕方なくお父さんの仕事場へと行った。
来たは良いもののすることも無く一人で待合室のソファに座っているとふと本棚に目が行き大好きな 夜明けて、目覚める死人 の小説があったー。
そこで千歳と手が触れた。あの日の本棚で手がぶつかって僕が強引に話を進めたことがきっかけで仲良くなった。それで、ー僕と出会ってからの千歳はずっと笑っていた。
ーでも時折見せる切ない顔、一体何が君にそんな顔をさせているのだろう?それからしばらくしてそれから千歳に重い先天性の病気がある事を知った…。
『 今回起きた発作、が…思ったより心臓に負担かかるらしく、て…っ 』
僕はその言葉を聞いた時泣きそうになった。病気にかかっていない僕でさえこんな苦しくて張り裂けそうな気持ちなのに当の本人、千歳はどんな気持ちで告げられたのだろうか、僕はただただ抱きしめることしか出来なかったー。
ー涙を流し僕にそう言う千歳が頭によぎる、強くて綺麗な笑顔の裏に涙が隠されていて。いつしかボクが助けたいって思っていた。
『好きだ、千歳ー』
緊張の中言ってしまった本音、それでも君は応えてくれた。
でも、現実はそんな甘くなかったって僕は知ることになる
ボクが守るって決めたのに…支えてやるって決めたのに… もう涙なんか流させないと決めたのに…目の前にいる千歳は弱く細く苦しくベッドに横たわっていた。
「……」
僕が何度名前を呼んでも千歳は応えてくれなかった…
千歳の家族全員用事で居なくなった時も病室に僕はずっと寄り添っていたその時時ガラガラと音を立て病室のドアが開かれる
「…樹、」
「おとう、さん?」
お父さんが、なんでここにーーー。
ベッドで眠っている千歳の髪を手に取りそっと撫でるお父さんの手を僕は振り払い、何しに来たのと言う
「……あの子と樹は合わない」
「……っ」
ーーードクッ、ドクッ、ドキ、ドキ…
「な、んで決めつけるんだよ…」
「あの子は病気持ちだ。酷く言うと今のあの子はかなり心臓に負担がかかっている。……それにー」
「…だからなんだよ、僕が千歳を諦める理由にはならない。僕が治すって決めてんだよ!」
お父さんが『 それに 』の続きに言おうとした言葉が何となくわかり口数が多くなる自分に対しお父さんは 僕の肩を軽く叩きドアを開け、こう言う
「…そしたらお前が頑張れ、お前が頑張らないと、あの子は消えて亡くなるぞ」
「…っ」
それは…まるで余命宣告されたかのような酷く鋭い痛みで…千歳との時間は少ないんだと、分かってしまったー。
だからボクは勉強漬けになった、『病気』のこと『治す方法』『心臓移植』のこと… どれも自分には未知の世界みたいで、触れても触れても中々ソコへたどり着けない知らない空間ー。
その中でも僕が調べた心臓移植は生きている人でもできるらしく、心臓を必要とする人に心臓をあげる。当たり前だが心臓を提供した人は亡くなるらしい。
「…っ」
愛する人のために死ねるなら本望だ。そこから心臓移植についてたくさん調べる、ー知れば知るほど、調べれば調べるほど…千歳の胸の痛みがわかるような気がした。気がした、なだけで全部は分からない。でも知りたかった
「千歳…!」
星が出て雲が見えない空に向かって叫ぶー。千歳の顔を見たい、千歳の声を聞きたい、千歳を抱きしめたい、千歳にキスをしたい、千歳を安心させたい、できるのは僕じゃなきゃダメなんだ…。僕がこの手で安心させて君の未来を作りたい。
僕が千歳を、君を助けるから…さっきまで見えていた星や雲はどこにもなくひとりげにキラキラと輝く三日月に目をやる。
そうしたら不思議とやる気が起きもう一度心臓移植やドナー、病気のことを調べる。千歳を思いながら調べ物をする時間は幸せであり苦しい時間だった…頭の中に内容が入れば入るほど千歳が今どれだけ辛いかを分かってしまうから。
ーーキミと僕の出会いはあの日だった。偶然に手が重なりそこから同じ好みだと発覚し僕が先に千歳を好きになった。千歳と出会ってからの時間はなんだか短く感じた、このまま千歳と一緒にいればあっという間に自分がおじいちゃんになっているんじゃないか、そんな事を常に考えていた
千歳と出会ったあの日、僕はここの医者をやっているお父さんに会いに行って、お母さんはお父さんの忘れ物を届けるためでひとり留守番は世間の目がとしつこいくらい気にするから仕方なくお父さんの仕事場へと行った。
来たは良いもののすることも無く一人で待合室のソファに座っているとふと本棚に目が行き大好きな 夜明けて、目覚める死人 の小説があったー。
そこで千歳と手が触れた。あの日の本棚で手がぶつかって僕が強引に話を進めたことがきっかけで仲良くなった。それで、ー僕と出会ってからの千歳はずっと笑っていた。
ーでも時折見せる切ない顔、一体何が君にそんな顔をさせているのだろう?それからしばらくしてそれから千歳に重い先天性の病気がある事を知った…。
『 今回起きた発作、が…思ったより心臓に負担かかるらしく、て…っ 』
僕はその言葉を聞いた時泣きそうになった。病気にかかっていない僕でさえこんな苦しくて張り裂けそうな気持ちなのに当の本人、千歳はどんな気持ちで告げられたのだろうか、僕はただただ抱きしめることしか出来なかったー。
ー涙を流し僕にそう言う千歳が頭によぎる、強くて綺麗な笑顔の裏に涙が隠されていて。いつしかボクが助けたいって思っていた。
『好きだ、千歳ー』
緊張の中言ってしまった本音、それでも君は応えてくれた。
でも、現実はそんな甘くなかったって僕は知ることになる
ボクが守るって決めたのに…支えてやるって決めたのに… もう涙なんか流させないと決めたのに…目の前にいる千歳は弱く細く苦しくベッドに横たわっていた。
「……」
僕が何度名前を呼んでも千歳は応えてくれなかった…
千歳の家族全員用事で居なくなった時も病室に僕はずっと寄り添っていたその時時ガラガラと音を立て病室のドアが開かれる
「…樹、」
「おとう、さん?」
お父さんが、なんでここにーーー。
ベッドで眠っている千歳の髪を手に取りそっと撫でるお父さんの手を僕は振り払い、何しに来たのと言う
「……あの子と樹は合わない」
「……っ」
ーーードクッ、ドクッ、ドキ、ドキ…
「な、んで決めつけるんだよ…」
「あの子は病気持ちだ。酷く言うと今のあの子はかなり心臓に負担がかかっている。……それにー」
「…だからなんだよ、僕が千歳を諦める理由にはならない。僕が治すって決めてんだよ!」
お父さんが『 それに 』の続きに言おうとした言葉が何となくわかり口数が多くなる自分に対しお父さんは 僕の肩を軽く叩きドアを開け、こう言う
「…そしたらお前が頑張れ、お前が頑張らないと、あの子は消えて亡くなるぞ」
「…っ」
それは…まるで余命宣告されたかのような酷く鋭い痛みで…千歳との時間は少ないんだと、分かってしまったー。
だからボクは勉強漬けになった、『病気』のこと『治す方法』『心臓移植』のこと… どれも自分には未知の世界みたいで、触れても触れても中々ソコへたどり着けない知らない空間ー。
その中でも僕が調べた心臓移植は生きている人でもできるらしく、心臓を必要とする人に心臓をあげる。当たり前だが心臓を提供した人は亡くなるらしい。
「…っ」
愛する人のために死ねるなら本望だ。そこから心臓移植についてたくさん調べる、ー知れば知るほど、調べれば調べるほど…千歳の胸の痛みがわかるような気がした。気がした、なだけで全部は分からない。でも知りたかった
「千歳…!」
星が出て雲が見えない空に向かって叫ぶー。千歳の顔を見たい、千歳の声を聞きたい、千歳を抱きしめたい、千歳にキスをしたい、千歳を安心させたい、できるのは僕じゃなきゃダメなんだ…。僕がこの手で安心させて君の未来を作りたい。
僕が千歳を、君を助けるから…さっきまで見えていた星や雲はどこにもなくひとりげにキラキラと輝く三日月に目をやる。
そうしたら不思議とやる気が起きもう一度心臓移植やドナー、病気のことを調べる。千歳を思いながら調べ物をする時間は幸せであり苦しい時間だった…頭の中に内容が入れば入るほど千歳が今どれだけ辛いかを分かってしまうから。

