「……んん、よく寝た…。」
眠りが浅い私でもあの青い空と澄んだ空気を見るだけでこんなにも深く眠れるのなら退院したら澄んだ青い空を何度でも目に焼き付けよう。
今はまだ朝で屋上は行けないから本を手に取り朝食を待つ。入院患者も面会の人も屋上に行けるのは入院患者が昼食を済んだあとのお昼時間。
私はそれを待ち望んでいた。そしてベッド横の引き出しに手を伸ばし取った本は 夜明け前、目覚めない死人 あの小説の前の話。あの本を読んだ後にこの本を読むとかなりの伏線が前編に隠されていて読むだけで頭使うからおすすめの本。
そうしてあれからあっという間に時間が経ちようやく朝食が済み時間が経ってお昼の時間ー。
「先生、今日も屋上行きますね」
廊下を歩いていた菅原先生を呼び止め言う。
「うん、気を付けてね。1時間以内だよ」
「わかりました、では行ってきます」
ーーガチャ
ー私はやっぱりこの青い空と澄んだ空気が大好きだ。
この空の下で私はあの本を持っていた。
「いたいたっ」
私の姿を見つけるとすぐに駆け寄ってくる彼
「あ、それって…」
私が手に持っているのは 夜明け前、目覚めない死人 前編の小説だった。
「それ…もう読んだの?」
「うん、新発売されたばっかりでお母さんが買ってきてくれたの」
「そっかぁ、僕まだ買えてすらないんだよね」
学校が忙しくてと愚痴をこぼす彼は本当に困ったような顔をしていた。
「…私もう読み終わったから貸そうか?」
「えっ、いいの?」
「うん、いいよ」
「ありがとう…!」
その本を手に取った彼はあの日よりも眩しい笑顔で私にそう言った。
「てか…名前、知らないよね。教えてくれる?」
「うん。僕の名前は 朔摩 樹 ( さくま いつき )」
「朔摩 樹…」
『君は朔摩先生の…』
いつかの菅原先生が言っていた言葉がふと頭に響く
「そっちの名前は?」
「私の名前は 椎名 千歳 ( しいな ちとせ )」
「千歳…綺麗な名前だね」
「ふふ、ありがと…そっちもね」
お互い呼び捨てで呼びあおう となり彼…樹はまた明日も、明後日も会おうねと当たり前のように約束をする。樹といる時間はとても心地よくて私が唯一時間を忘れられる一時だった。
「…っ」
「…千歳、どうしたの?」
「、うっ」
ーでも現実はそんなに甘くないってことを私は初めて知った
私の心臓はゆっくりと…でも確実に1歩病に蝕まれていた
眠りが浅い私でもあの青い空と澄んだ空気を見るだけでこんなにも深く眠れるのなら退院したら澄んだ青い空を何度でも目に焼き付けよう。
今はまだ朝で屋上は行けないから本を手に取り朝食を待つ。入院患者も面会の人も屋上に行けるのは入院患者が昼食を済んだあとのお昼時間。
私はそれを待ち望んでいた。そしてベッド横の引き出しに手を伸ばし取った本は 夜明け前、目覚めない死人 あの小説の前の話。あの本を読んだ後にこの本を読むとかなりの伏線が前編に隠されていて読むだけで頭使うからおすすめの本。
そうしてあれからあっという間に時間が経ちようやく朝食が済み時間が経ってお昼の時間ー。
「先生、今日も屋上行きますね」
廊下を歩いていた菅原先生を呼び止め言う。
「うん、気を付けてね。1時間以内だよ」
「わかりました、では行ってきます」
ーーガチャ
ー私はやっぱりこの青い空と澄んだ空気が大好きだ。
この空の下で私はあの本を持っていた。
「いたいたっ」
私の姿を見つけるとすぐに駆け寄ってくる彼
「あ、それって…」
私が手に持っているのは 夜明け前、目覚めない死人 前編の小説だった。
「それ…もう読んだの?」
「うん、新発売されたばっかりでお母さんが買ってきてくれたの」
「そっかぁ、僕まだ買えてすらないんだよね」
学校が忙しくてと愚痴をこぼす彼は本当に困ったような顔をしていた。
「…私もう読み終わったから貸そうか?」
「えっ、いいの?」
「うん、いいよ」
「ありがとう…!」
その本を手に取った彼はあの日よりも眩しい笑顔で私にそう言った。
「てか…名前、知らないよね。教えてくれる?」
「うん。僕の名前は 朔摩 樹 ( さくま いつき )」
「朔摩 樹…」
『君は朔摩先生の…』
いつかの菅原先生が言っていた言葉がふと頭に響く
「そっちの名前は?」
「私の名前は 椎名 千歳 ( しいな ちとせ )」
「千歳…綺麗な名前だね」
「ふふ、ありがと…そっちもね」
お互い呼び捨てで呼びあおう となり彼…樹はまた明日も、明後日も会おうねと当たり前のように約束をする。樹といる時間はとても心地よくて私が唯一時間を忘れられる一時だった。
「…っ」
「…千歳、どうしたの?」
「、うっ」
ーでも現実はそんなに甘くないってことを私は初めて知った
私の心臓はゆっくりと…でも確実に1歩病に蝕まれていた

