ーそれから私は瀬戸外病院を退院し、1年の月日が流れた。

「おかあさん、私もう行くね」
「待って!千歳、忘れ物はない?」
「大丈夫だって、じゃあ行ってきます」

「行ってらっしゃい、気をつけてね」

樹、今日は快晴だね。きっと樹は微笑んでいるのかな?それとも昨日漫画見ながらヨダレ垂らして寝落ちていた私を思い出し笑いしているのかな?なんでもいいや、大好きな君が私のことを見てるだけで。

「千歳ちゃん!おはよう!」
「佳子ちゃん、おはよ」
「…あれ?いつもつけてるあのブレスレットは?」

「あーあれ先生が落としたら困るだろうって言ってくれてて今は家に置いてるの」

「そっか!山口先生も優しいよね、事情知ってるからかもだけど初めて見た時没収されなかったもんね」

「うん…あの時はあのブレスレットだけが頼りだったから」
「もうー、今は私もいるんだからね!?」

あれから私は看護の専門学校に通っていてその学校の中で知り合った 文音 佳子…私の過去も病気も知っていて私を支えてくれる人。

「はいはい、頼りにしてますよーっ」
「もー!」
「ふふ」

「そうだ、今日の放課後ー…」
「え、じゃああそこ行く?」

私はちゃんと生きてるから安心してね、いつき…

私は腕についてるブレスレットを太陽の光に当てる。ブレスレットガその度にキラキラ輝いていて奥ではたいようがサンサンと輝いている、まるで…樹が隣にいて微笑んでくれるかのように。