今日は非常に学校へ行きたくない。
なぜなら、大嫌いな体育があるからだ。

進学校なら、体育の代わりに数学か英語の授業をすればいいのに…なんてくだらない事を考えながら、
ビルボード ランキング順に流している音楽をヘッドホンで聞く。

音楽は、全く分からないが
周りの雑音をシャットダウンするのに丁度いい。

ヘッドホンで聞いてると、誰も何も話しかけてこない。

話しかけてこないのに…。
トントン、と誰かが私の肩を叩いた。


ヘッドホンを外しながら、後ろを振り向くと。


「…はようございます」

「おはよう、レイ」

爽やかな笑顔をした結城先輩がいた。


「...え?どうしてバカでかい声で名前呼ぶんですか?」

「朝だから。朝から元気にいかないとね」

爽やかな笑顔がドンドンと腹黒い笑顔に見えてくる。

怖い。
結城先輩の口から元気とかいう単語が出てくる事自体、怖すぎる。
あと過去一、テンション高いのも怖すぎる。

「不必要に声掛けないでもらえますか?あの子に関係ない時は、放っておいて下さい」

「レイ、昨日のこと怒ってる?」

「…下の名前で呼ばないで下さい。いつもは“君”とか、名字で呼んでますよね?」

この人の考えが読めない。

「あのさ、」

先輩が言い掛けたその時ー。


「結城おっすー!え?なに?なに?彼女?!」

先輩の友人が登場した。

これ以上ここにいると面倒になりそうだったので、
先輩の友人にペコッと会釈し、その場を離れるように学校へと急いだ。