キミの1番になりたい。


「いえ、先輩と変な噂になりたくないので大丈夫です。ひとりで帰れます」

それはそれは、伊吹さんの次ぐらいに美しい顔をしているので、学校でも先輩の話題が持ち上がる。

今回、あの子の物が隠される事案は
先輩との仲を嫉妬した取り巻きが起こしたものではないかと考える。
伊吹さんの事を知っている生徒は少ないだろうし…。

面倒ごとには巻き込まれたくない主義なので、先輩と関わるのは極力避けていきたい。

あの子が入学するまで、そんなに関わらなかったのだから
今後もあの距離感でお願いしたいものだ。


「君さぁ、ホント可愛げがないよね」

「それはどーも」

「まあ、明日から3人で一緒に帰る事になったから」

「え?!どうして??」

思わず立ち止まって、後ろにいる彼に向かって言葉を発する。

「伊吹から、ここまで一緒に帰るように言われた」

「先輩だけで送ってけばいいじゃないですか」

「それこそ、何も知らない子達が変な噂するよ」

無理ムリむり!!!
あの子と帰るなんて絶対イヤ!

「あ、分かった!あの子のお世話役を、1年生の中から見つければ良いと思いませんか?!」

「中学の時、それで失敗したよね?」

「あっ…」

そうだった…。