キミの1番になりたい。


あの子が彼の隣りに座るようになって、もうすぐ1年。

最初は嫉妬でどうにかなりそうだったけど、自分の感情をコントロールするのが上手くなった。

本当はあの子のお世話なんて1ミリもしたくないが、伊吹さんの頼みとなれば無碍に出来ない。

そんな自分に最近は嫌気が差す。


「それじゃあ、私はこれで失礼します」

感情のコントロールが上手くなったと言っても、好きな彼の隣りにあの子が座っているのをずっと見るのは無理なので、早々に席を立った。

また顔見せに来てね、と彼に言われたが
その言葉だけでご飯3杯は食べれる。

いや、丁寧に咀嚼して食べればー…

「途中まで送るよ」

「へぇ?」

変な妄想をして階段を降りていると、後ろから低い声が聞こえた。


「先輩、」

声の主は結城先輩だった。