あの人の1番大切なあの子と私、そして隣りに座る男 結城先輩の3人は同じ高校に通っている。
県下イチの進学校とあって、同じ高校に通っているのは大勢いる仲間の中でこの3人だけ。
まぁ、同じ高校といっても学年は皆バラバラ。
結城先輩は3年、私が2年、そしてあの子は1年である。
あの子と同じ同性として、彼らは私をお世話役にあてがう。
だが、違う学年な為、こうして私の知らないとこで何かが起こっても把握しきれない。
それにしても、入学してまだ1ヶ月ぐらいしか経ってないのに、もう目を付けられたのか…。
入学時に、ちょっとした騒ぎがあの子の周りで起こった時も、私だけ蚊帳の外。
先輩が対処して、騒ぎが収まった後に事後報告された。
もう、あの子に関する事全て、先輩がお世話すればいいのに。
「レイ、手を煩わせる事になるけど、結城と一緒に犯人見つけてくれるかな?」
「分か、りました…」
久しぶりに名前を呼ばれて、何だか涙が出そうになった。


