「あ〜数学の授業、眠かったなぁ〜。帰ったらスグに寝よ。」


「…なあ佐野前存。」


は!この声は!!『水田 堂夏』先輩だ!!


「先輩!なんでしょうか♡」


「お前、転校してきた恩妙寺って、なんなんだよ。さっきずっと一緒に話してたじゃんか。」


「あれは…!ちがうの!!朝のピーナッツバターコッペパン泥棒よ!」


「?。なんだか知らねーケド、ま、いっか。」


「とにかく、恩妙寺に『放課後に体育館裏に来い』って言っとけ。」


「先輩…やたらと人のおでこにマーガリン塗らないで下さいよ。」


水田先輩は、気に入らない人を体育館裏に連れ込んではおでこにマーガリンを塗るのが趣味の少し変わった先輩。


私は恩妙寺の所に行った。次の授業は音楽だから、多分音楽室にいるだろう。


ー ガララッー


「あ、いた。」


「みゆき、なんだよ…さっきは悪かったって。」


「ちがうちがう。水田先輩って言う人から、伝言。放課後に体育館裏に来いってさ。」


「?なにそれ。」


「いかない方がいいわよ。おでこがベタベタになるわ。」


「別にいい。あと、みゆきな、ピーナッツバターコッペパンだけによくそんなキレられるな。」


「っ!うるさいな〜!許してねぇかんな!棚の角に足の小指ぶつけろ!!」


ー ガララッー


「フッ。可愛いやつめ…」