☪︎
「……っ、ぁ、うぁ……っ」
思わず、抱き寄せてしまった。
ぎゅうっと抱きしめると、縋るように服を握り、泣きじゃくる燈さん。
『お姉ちゃん、本当は泣き虫なの。でも、私がいるから泣かなくなったの。そしたらね、泣き方が分からなくなったのか、下手くそになったの。でもね、ぎゅーって抱き締めて、頭よしよししてたらね、泣いてくれるようになったの』
輝が言っていたことを思い出しながら、頭を撫でる。
彼女の手に、力がこもる。
『多分、お父さんやお母さんがやってくれてた癖なの。私はあまりされた覚えはないんだけど、私が少しでも何かを欲しがったらね、燈が全て譲ってくれちゃうから、私は滅多に悲しい思いをすることがなくて、いつも裏でお父さんとお母さんにお願いして、燈に返していたんだ〜』
我慢する彼女を、両親はよく抱きしめて泣かせていたらしい。
輝は見られたくないという彼女の想いを汲んで、いつも知らないふりをしていた。
『お父さんとお母さんが何を言ってもね、私を優先させちゃうの。私が、たった数分後に生まれた私が、燈と違って病弱だったから。健康体の燈と違って、病弱で、よく病院行ったり、寝込んだり、入院したりしていたから。それを見ていた燈は優しいから、いつからか私を最優先するようになっちゃった』
自責するように笑う輝。
悲しいすれ違いは、輝の死で、終わってしまった。
『お姉ちゃんの、安心できる場所になってね』
……なれるわけがないだろう。
彼女の全ては、彼女の導は、彼女の甘えられる場所は、この世界でたったひとつ、輝の腕の中だったのだから。
(……どうして、神様は君を連れて行ったんだ)
身体が弱かった彼女は、どんどん弱っていった。
輝のマネージャーだった匠さんの話によると、血液の癌だったらしい。
治癒も目指せる、医療が発展したこの時代で、輝が助かることができなかったのは、元々の彼女の病弱さが影響しているのだろうと、言われたらしい。
「……っ、ぁ、うぁ……っ」
思わず、抱き寄せてしまった。
ぎゅうっと抱きしめると、縋るように服を握り、泣きじゃくる燈さん。
『お姉ちゃん、本当は泣き虫なの。でも、私がいるから泣かなくなったの。そしたらね、泣き方が分からなくなったのか、下手くそになったの。でもね、ぎゅーって抱き締めて、頭よしよししてたらね、泣いてくれるようになったの』
輝が言っていたことを思い出しながら、頭を撫でる。
彼女の手に、力がこもる。
『多分、お父さんやお母さんがやってくれてた癖なの。私はあまりされた覚えはないんだけど、私が少しでも何かを欲しがったらね、燈が全て譲ってくれちゃうから、私は滅多に悲しい思いをすることがなくて、いつも裏でお父さんとお母さんにお願いして、燈に返していたんだ〜』
我慢する彼女を、両親はよく抱きしめて泣かせていたらしい。
輝は見られたくないという彼女の想いを汲んで、いつも知らないふりをしていた。
『お父さんとお母さんが何を言ってもね、私を優先させちゃうの。私が、たった数分後に生まれた私が、燈と違って病弱だったから。健康体の燈と違って、病弱で、よく病院行ったり、寝込んだり、入院したりしていたから。それを見ていた燈は優しいから、いつからか私を最優先するようになっちゃった』
自責するように笑う輝。
悲しいすれ違いは、輝の死で、終わってしまった。
『お姉ちゃんの、安心できる場所になってね』
……なれるわけがないだろう。
彼女の全ては、彼女の導は、彼女の甘えられる場所は、この世界でたったひとつ、輝の腕の中だったのだから。
(……どうして、神様は君を連れて行ったんだ)
身体が弱かった彼女は、どんどん弱っていった。
輝のマネージャーだった匠さんの話によると、血液の癌だったらしい。
治癒も目指せる、医療が発展したこの時代で、輝が助かることができなかったのは、元々の彼女の病弱さが影響しているのだろうと、言われたらしい。


