次の日の朝、いつも通り自分の分のお弁当を作る。


それと同時に冬夜さんの分も。


卵焼き、ウインナー、プチトマト、から揚げ…色とりどりの具材を冬夜さんのフードパックに詰める(私より多めに入れた)。


今日は朝一から映画告知のためにニュース番組に出るから、冬夜さんも参加する。


その時に渡そうと思い、家を出る。






「冬夜さん、これどうぞ」


お弁当の入った紙袋を掲げて見せると冬夜さんが驚いた顔をする。


「え……まじで作ってきたの?冗談かと思ってた…」


やっぱり迷惑だったかな…?


「……どうしても食べたくないなら捨ててもらっても結構ですよ」


本音を言うと健康のためにも食べてほしいけど…さすがに無理強いはできない。


「いや、食うよ。せっかく作ってきてくれたんだろ?サンキュー」


冬夜さんがふわりと笑う。


いつものニヤニヤとも、爽やかとも違う素のような笑顔にドキッとしてしまう。