「…なんですか」
頬を膨らまして拗ねてる私を見て笑う。
「ふっ……監督からの伝言。今日の撮影のシーンが変更だってさ」
えっ、初耳すぎる!
よかった、まだ撮影まで2時間以上あるから原稿確認できる。
「高梨さん、ありがとうございます」
「……その高梨さんって呼ぶのやめろ。冬夜でいい」
えぇっ…先輩だから一応呼んでたのに…。
「……冬夜、さん、?」
男性を下の名前で呼んだことないからちょっと緊張しちゃうかも…。
「ん。用事もないなら帰れ」
一瞬優しく微笑んだ後、すぐにいつもの意地悪な顔になって私を楽屋から追い出す。
