裏表激しめ俳優にいつの間にか溺愛されてました

みんな騙されてますよ……


「なんか、クズとかそーゆー系の性格悪いじゃなくて、俺様っていうか、わがままっていうか…」


「でもさ、相手は腐ってもあの高梨冬夜だよ?関われるのって役得じゃん」


「そんなに言うなら変わってあげるよ。あんなわがまま大魔王」


絢ちゃんは簡単に言うけど本性知ったらぜーったい嫌になっちゃうと思う。


っていうか役得だと思うなら変わってほしいくらいだもん。


私はため息をつきながら最後のから揚げに箸を伸ばす。


すると、箸が届き切る前に別の箸が私のから揚げを取る。


「隙あり」


「えっ」


なんと、私のから揚げを横取りしたのは、噂をしてた高梨さんだ。


私はびっくりして後ろに椅子ごと下がる。


「~?!たたた、高梨さん…っ?!」


「僕、なにかしちゃいましたか?悪口言われると悲しいですし、なにか改善できることがあれば言ってくださいね」


爽やかな方の笑顔だけど目が笑ってない。