そう言うと、清海さんはいつもと変わらない優しい笑顔で私を見つめている。

「僕は、海香子ちゃんと出会うまでは、ずっと一人で生きていくものと思ってた。女性不信だったし。愛する人と一緒に生きる幸せを教えてくれたのに、自ら手放すわけないだろう?海香子ちゃんは、ずっと僕の可愛い人魚姫だよ。物語の王子とは180度違うハッピーエンディングをあげたい」

「清海さんの、そういうキザなこと平気で言っちゃうところ⋯⋯全部ひっくるめて、大好き!」

真っ昼間でもお構いなしに口づけを交わすと、夕日が海に沈むまで、のんびりと二人で過ごすのであった。



FINE