これが私の本音なのだ、結局は。

「海香子ちゃん。確かに、僕らの関係は、見る人によっては共依存気味かもしれない。でも、人は必ず誰かを支えて、支えられて生きてるって考えたら、僕らの関係がダメだなんて、誰にも言えないと思うよ。そもそも、利害の一致ではなくて、愛情があるわけだし」

ふと、母の言葉を思い出す。

清海さんと暮らし始めてからは、都落ちした時とは違い、幸せそうだと言われたことを。

人間には、向き不向きがあるだろう。

確かに、都会で格好良く働くキャリアウーマンという夢は、呆気なく打ち砕かれたが、今は最愛の人が、いつも私を愛し、必要としていてくれる。

世の中には、キャリアを捨てて早く結婚したい人も一定数居るそうなので、ないものねだりといったところか。

「私は、心の底から幸せよ。清海さんこそ、後になってやっぱり永久就職制度廃止!なんて言っても、私、しらばっくれちゃうからね?」