そうだった。

さっきは、パニックに陥った清海さんを宥めるのに必死だったが、来週、私の実家に行くことにしていたとは⋯⋯。

「電話では、何処まで話したの⋯⋯?」

恐る恐る聞いてみると、

「結婚前提でお付き合いさせて頂いているので、ご都合のよろしい時に、ご挨拶に伺いたい、って」

「なんという直球⋯⋯」

「でも、海香子ちゃんこそ、お母様に何やら僕のこと色々話してたみたいじゃない?」

いたずらな笑みを浮かべて清海さんが言う。

「えっ?ただ、近況報告してただけだけど⋯⋯?」

「ふぅん⋯⋯。お母様が仰ってたよ。『海香子は、何を聞いても、清海さん、清海さん、ってそればかりだから、きっとあなたに恋しているとは思っていましたよ』って」

母は、そんなことを私には一切言わなかったのに⋯⋯!

まだ隠していたつもりなのに、バレバレだったのかと思うと、何だか恥ずかしくて仕方ない。

参った⋯⋯。