「海香子ちゃんって、いざという時に、随分冷静で居られるんだね。惚れ直したよ!その点、僕はただ狼狽して、情けないったらありゃしない⋯⋯はぁ⋯⋯」

今度はテーブルに突っ伏してしまった。

「清海さん」

私は、そっと清海さんの頭に触れてみた。

「ねえ。顔を上げて、私を見て」

ばつが悪そうに、清海さんは顔をあげる。

「清海さんが、そんなに狼狽してしまったのって⋯⋯私のことを心配するあまり、なんでしょう?」

「そりゃそうだよ。海香子ちゃんのことだけは守りたいって、いつも思ってたから⋯⋯」

「とにかく、私は平気だから。清海さんがそこまで落ち込む方が、よっぽど心配になっちゃう」

清海さんは、少し潤んだ瞳で私を見つめる。

「それに、ご飯も、全然食べてくれないし⋯⋯」

「食べる!食べるから!」

私はクスッと笑い、電子レンジで温め直して、清海さんに差し出す。

「いただきます!」