車で自宅に戻り、畑の世話や雑用などを済ませると、少し昼寝をした。

朝早かったし、また夜には迎えに行くのなら、ちゃんと安全運転したいから。


目覚ましの音で目が覚めると、もう夕方だ。

清海さんが東京で頑張っている間に居眠りしてしまって、なんだか申し訳ない。

折角だから、夕飯だけでなく、お菓子も作っておこう。

清海さんは酒豪なだけでなく、甘党でもあるから。

日が沈んだ頃、清海さんからのコールで、

「今から、飛行機に乗るよ」

そう言われたので、

「了解!迎えに行くからね」

「ごめんね⋯⋯海香子ちゃん」

「何言ってるの。アシスタントならこれぐらい当然でしょう?」

「やっぱり海香子ちゃんは優しいね、ありがとう⋯⋯」

「気をつけてね」

電話を切ったあと、なんだか清海さんの声がやけに暗かったのが気になる。

気のせいだと思いたいけれど⋯⋯。