初めての恋、初めての蜜月に、私は浮かれ過ぎているのだろうか。

二人きりの世界に酔って、忍び寄る影など気付きもせず⋯⋯。


ある日、清海さんは仕事の都合で、飛行機で上京することになった。

私も一緒に行きたいかどうか意思確認をされ、仙台ぐらいならいいけれど、東京はちょっと⋯⋯と伝えると、

「そうだよね。じゃあ、朝イチの便で行って、最終で帰ってくるから」

「無理しなくても、向こうで一泊してきたら?とんぼ返りじゃ、疲れそうだし」

「いやいや⋯⋯僕のほうが早く家に帰りたいんだよ」

そう言うと、私を強く抱きしめ、何度もキスする清海さん。

「清海さんってば⋯⋯夜までには戻ってくるんでしょう?」

笑いながら言ったが、

「そうだけど、今までずっと一緒だったから、日帰りの出張さえ、一日千秋の思いだよ。海香子ちゃんは一人でも平気なの?」

拗ねたように言う清海さんが、なんだか可愛い。