僕は、昔からどうも女性不信なところがあった。

両親の離婚後、僕は父に引き取られたのだが、女性不信のきっかけは、母親にあるかもしれない。

母は、容姿こそよかったものの、家庭には無関心、女として見られることが大事な人だった。

父とは恋愛結婚だったようだが、一人の男に縛られることに耐えられず、結婚して僕が生まれてからもずっと、不倫もする、一夜限りの火遊びもする⋯⋯と、かなりの放蕩ぶりに、辛抱強い父でさえ、遂に限界が来て離婚。

それが、中学生になったばかりの頃のこと。

中学生になってしばらく経つと、何人かの女子から、付き合ってほしいと言われたが、正直、意味が判らなかった。

小学生の頃まで僕というと、特に女子からは、暗いのなんのと陰口を叩かれていたのに、掌を返したようにそんなことを言われても、理解出来るはずがない。

「一体、僕の何がよくて、好きになってくれたの?」