「あっ!」

清海さんの持っている、黒いビニール袋には、化粧水などに紛れて、生理用品が入っている。

「清海さん、その荷物は私、持つから」

「だから、気にしなくていいよ」

笑顔で言うけれど、そうじゃないのよ⋯⋯!

「あれ?そう言えば、なんで黒いビニール袋なんて混じってるんだろう?エコバッグなら多めに持っていったのに」

悪気がないのはわかるが、私が止める間もなく、ここには何を入れたんだっけ?と、清海さんが中身を見てしまう。

嗚呼⋯⋯。

不思議そうに、生理用品を眺めた清海さんは、数秒後に、

「あ⋯⋯!そういうことだったんだね!?鈍すぎてごめん!」

かなり申し訳なさそうに、黒いビニール袋だけ、私に渡す。

しかし、意外でもあった。

清海さんは独身とはいえ、私より6才上の大人だし、このルックスで画伯なのだから、きっとこれまでに、素敵な彼女だって居ただろうに。