しみじみと言われる。

「うん。東京に居た頃は、朝昼晩、いつもひとりだったから、わかるわ⋯⋯」

清海さんは、少し切なげな眼差しで私を見つめると、

「でも、もうこれからは、ひとりじゃないよ」

優しい声でそう言ってくれた。

思いがけず、半同居ということにはなったものの、それを嫌だとは思っていない。

もし、完全な同居だったら、流石に抵抗もあっただろうし、親も難色を示したに違いないから、清海さんは気を遣ってくれたのだろう。

「私、大したことは出来ないかもしれないけれど、一生懸命頑張ります!」

「いやいや、そこまで頑張らなくていいんだってば。静養とリハビリぐらいの気持ちでいて?」

その時、私は不思議で仕方なかったことを思い切って聞くことにした。

「ねぇ」

「ん?」

「どうして、ここまでしてくれるの?」