海辺の家に着くと、清海さんは私を１階のリビングに迎え入れ、テーブルの上にホットプレートを置く。

「どんどん食べてよ、海香子ちゃんの歓迎会みたいなものなんだから」

「ありがとうございます！」

「海香子ちゃん、アルコールはいける？」

「あ⋯⋯私は下戸だから、清海さんは気にせず好きなだけ飲んで下さい」

小さな嘘をついてしまった。

本当は、下戸という訳ではなく、寝る前に安定剤や睡眠薬を飲むので、アルコールを控えているだけ。

しかし、それを言えば、清海さんに気を遣わせてしまう気がして⋯⋯。


清海さんは、次から次へと焼いては食べ、私の皿にも山のように盛ってくれる。

本当に美味しそうに食べる人⋯⋯しかも酒豪だ。

見ていて気持ちいい。

つい見つめてしまうと、清海さんと目が合う。

露骨に見すぎたかと、目を逸らそうとした時、

「やっぱり、誰かと一緒にご飯食べるのって、いいものだね」