「私、自分のことを、もっとタフでストイックな人間だと自惚れていたんです。中学を出てすぐに親元を離れて、厳しい寮で生活していたし。決して頭は良くないけれど、真面目にコツコツ努力するタイプだから、高専も首席で卒業出来たんだろうって。でも⋯⋯結局、ダメでした。東京でバリバリ働くOLに憧れていたけれど、メイクもスーツもパンプスも、私には全然しっくり来なくて。こんなはずじゃなかったのに、って⋯⋯」
「そっか⋯⋯。頑張ってきたんだね。今は静養中?」
「ええ。でも、いつまでもこうしていられないし、早く再就職しなきゃ、とは思うんですけどね。もう、自分が何をしたいのかもわからなくなってきて。それに⋯⋯何より、自信がないんです」
我ながら、本当に情けないな⋯⋯と思いつつも、清海さんには何故か弱さをさらけ出せた。
「海香子ちゃん」
優しい声で名前を呼ばれ、清海さんを見つめ返す。
「そっか⋯⋯。頑張ってきたんだね。今は静養中?」
「ええ。でも、いつまでもこうしていられないし、早く再就職しなきゃ、とは思うんですけどね。もう、自分が何をしたいのかもわからなくなってきて。それに⋯⋯何より、自信がないんです」
我ながら、本当に情けないな⋯⋯と思いつつも、清海さんには何故か弱さをさらけ出せた。
「海香子ちゃん」
優しい声で名前を呼ばれ、清海さんを見つめ返す。



