その後色んなブースを見て回った私達は、


「はー!凄かったね!あのプロジェクションマッピング?とか、キラキラしてて!」

「な!あれは感動した!」


 あまり美術に興味のない坂本君まで興奮気味に話すぐらい凄まじかった。

 因みに今は大きな声で話しているのは、美術展の食事処で、飲食・お喋りOKの場所。コラボメニューも今回の美術テーマをモチーフにしたスイーツが販売されており、食べながら見回ったブースについてお互い興奮気味に話していた。

 私はグスタフ・クリムト【ダナエ】をモチーフにしたフルーツとゼリー、金箔の様な物が混ざったスイーツを食している。かなり美味しい。


「プロジェクションマッピングってあれどう言う仕組みになってんだろうな」

「あれね!丁度あの黄金のキラキラ出た時とか!」


 絶妙な配置バランスと飾り付けられた絵画が置かれているブースに、色んな世界の異類婚姻譚が映像と音楽で上手く繋げたプロジェクションマッピング仕様のブースもあって(ここの食事処もそうだけれど)かなりこの美術展に力が入っているのが伺える。


「今唐堂が食べている奴な」

「うん!」


 美味しいー!と言いながら食べるスイーツも格別。


「俺ギリシャ神話とかは姉貴が好きだから知ってんだけど、日本神話だけでもあんなにあるんだなあ」