そして彼女は俺の背後を見て、
「どう思う惣倉君?」
そう言った。
は?と思って背後を見たら、
「俺も。何方でも美味しいと思いますよ」
横に人が居て、久々に驚きで身体がビクついた。
疲れたあと言いながら、隣に座る中等部の制服を着た下級生。
「あー助かった。急におっ始めるから、俺どうして良いか」
どうやら窓が開いている所を見るに、男は窓の外の出っ張りに潜んでいたらしい。
「私も途中で惣倉君が見えたから、早く帰って貰わないとって思って色々言い過ぎちゃった…後で凌久君あの人に謝っておいて貰っていい?」
「え、ああ…」
今度こっちが呆然と反応するしかなく、
「そろそろ普通にドアから入って来たら?」
「いやあー中等部生が高等部ウロウロしているの見つかると、やっぱり良くないかなって」
と言うか、惣倉って言わなかったかコイツ。
「…あー先輩はシンカンの家系でしたね。大丈夫ですよ、貴方に俺は興味無いんで」
唐堂綴と話をしていた上に、俺の心中を呼んだかの様に言う得体の知れなさに恐怖で顔が引き攣る。これでも他人に顔色を読まれ無い様にする事は、普通の人より上手いと思っていた。
「シンカン?」
「ただの俗物ですよ。先輩が気にする様な存在じゃないです」
「ふーん…そっか。でさあこの間の漫画の話なんだけど」



