正確には初対面ではなく、興味が無かったから直ぐに思い出せなかった。

 そうだ、確か。


「今清水君が鼻息荒くしてドアの前に居るから何事かと思ったら…」

「鼻息荒くなんてしていない!誤解を招く良い方止めてくれないかな!?」

「誤解でもないじゃん気配まで消して…どんだけ見たかったの」

「違うから!違うから本当に!」


 生徒会役員の女。で、隣で喚いている男は次期生徒会長…だった筈。


「ねえちょっとアンタ達、見れば分かると思うけど取り込み中なの、どっか行ってくんない?」


 空気読めよと女が2人に声を掛けたが、


「ほら見てよあの目。変態覗き魔が!って言っているよ」

「へへへ変態覗き魔!?ちちち違います!まさかこんな場所で、あのせせせっく」

「キモっって思われているよアレ」

「キキキも!?そもそも唐堂君が開けたから!」

「でも入んなきゃいけなかったし、終わるまでやっぱり居るつもりだったの?うわあ」

「引かないでくれ!そんな事するつもりじゃなかったんです!!誤解です!!」


「空気読めよ!!」


 全くと言って良い程話を聞かない2人に、目の前の女は我を忘れて突っ込んでいた。


「て言うか先輩これで続きするんですか?」

「は、はあ?」


 そして無視していた癖に突然話題をこっちに振って来た。