此処に来て土師利大の眉がピクリと不快そうに動いた。
けれど、
『あの女。地味そうに見えて結構遊んでいるんですよ?聞いたな事ないんですか?』
直ぐに気を取り直してと苛立たしい口調で俺に問う。
不快ではあったが…疑問が湧いた。
『何で獅帥さんもあんな女の、』
『ーーー何でそこまでお前は綴に執着する?』
女の眉がまたピクリと動いた。
『…執着?何言っているんですか?それは獅帥さんの方じゃないんですか?何が良くてあんな女…』
更に眉間に皺が寄った。
そう言えばコイツの姉と俺は似ていると言っていた。
さっきこの女が反応していたのはーーー…。
『もし綴が地味でも遊んでいても俺は別に気にしない。それに、』
お前に何の関係がある?
そう言った途端、カッと目を見開く土師利大。
憎しみに溢れていて、握る手は爪が長ければ抉る程込められている。
ああ…なるほど。
『同一視か』
『っ…』
『お前も可愛い所があるんだな。姉が恋しくて堪らないのか…は』
俺が小さく嘲笑付け加えれば、
『何を言って!』
取り繕う気もないらしく、激昂した土師利大が立ち上がる。
『…』
俺は足を組んでその怒りに支配された土師利大を見上げた。
土師利大は怯えた様に震えて…ソファーに腰を下ろした。
『どうした続ければいい』
『…』



