姉2人の時も可愛かったが、ミケである彼女の実家の…此方に不信感を持った、しきたり知らぬ外部の人間が騒ぎ、手元で殆ど育つ事は無く、幼少の頃は海外で暮らしていた。(ミケである彼女は行き来が大変そうだった)

 今回は片割れが男だったが故、こちらの強固な姿勢と、姉2人の時に彼方の我が儘を聞いた分此方のしきたりで育てる事になった獅帥達。

 7つまでは基本外部との接触は控える事になる。(親も最低限しか会えない)

 僕は匡獅のシンカンと言うだけで、本来なら接触出来る機会はなかったが、オオミカである匡獅の取り計らいでこの子達の成長に関わる事が出来た。

 傍で育つこの子達への愛情は特別だ。

 自分は一生子供を持つ気はないから、せめて愛した人の子をと、思うのは人として自然な事だった。

ーーーそれでもその全てを今日捨てる事になるんだけれど。


「どうしてるんだろうな…」


 実際知らないのは確かだ。
 

「そうか」


 心当たりはあったが、聞いた匡獅はそこまで興味がなかった様で「で、何か話があるんだろう」と、直ぐに話題を切り替えた。


「匡獅、僕は家に帰る」

「…どうして?」


 首を傾げる匡獅。

 子供の様に見えるその姿に懐かしさを覚えながら、


「結婚する事になった」


 そう答えた。